第37回日本薬剤師会学術大会(青森)

持参薬鑑別書の活用方法と患者の薬剤管理の問題点


 地域医療支援病院オープンシステム徳山医師会病院


        ○吉永 哲史、澁江 なつ美、有馬 治男、伊ヶ崎芳美、佐貫 記子、西村 正広


 当院はオープンシステムのためほとんどの患者が他院の薬を持って入院して
くる。そこで5年前より全入院患者を対象に持参薬を調べている。
 患者が入院してくると病棟より「持参薬鑑別依頼書(資料1)」と一緒に持参薬が薬局に提出される。鑑別依頼書には病棟・部屋番号・患者氏名・持参薬を服用するのかどうか・本人管理かナース管理かなどが記入してある。

 鑑別は薬剤情報検索システム(MR 2002春版)を使用している。処方病院又は調剤した薬局、用法・用量、薬の残数、当院採用品の有無、なければ同一成分薬または類似薬を鑑別書(資料2)に記入しカルテにはさんで医師や看護師に情報を提供している。

<薬局での持参薬鑑別書活用方法>
@持参薬の継続服用が多いため、初回処方時に指導録に入れてある写しを見て
指示の転記ミスがないかチェックしている。
 
   チェック数      199件(H16 4〜6月)
   転記ミス発見数   7件(3.5%)
  

A当院採用薬でない薬の場合、医師が鑑別書を見てあらかじめ採用薬に
 変更して処方
を出してくれることもある。

H16 採用薬でない薬をそのまま処方 あらかじめ変更した処方
4〜6月 55(51%) 53(49%)

B服薬指導時や退院指導時には現在服用中の薬が持参薬とどう違うのかなど説明するときに使用している。


<問題点>
・用法、用量など
手書きのため見づらい。
・医師にわかりやすい「当院採用薬の有、無」や「当院採用同一成分薬」などの記入が医 師にわかりづらい。
・現在ソフトは2002年春版を使用しているが、それ以降のバージョンが発売されておらず、今後このソフトを使用するか検討中である。


<調査>
@患者の持参薬管理状況など
  
  期間    :H16年4〜6月
  対象人数 :426人

結果

鑑別人数 用法・用量不明 古い薬袋 重複
426 118(28%) 29(6.8%) 10(2.3%)

28%の患者が薬袋と薬をバラバラに管理しており、用法・用量が不明であった。

6.8%の患者が現在服用していない薬(古い薬袋)を一緒に管理していた。中には他人の薬袋で管理している患者もいた。

2.3%の患者に重複投与があった。内容は解熱鎮痛剤や先発品とジェネリック薬品などであった。

A薬剤情報提供書(以下:薬情)又はお 薬手帳について聞き取り調査

   期間   :H16年8〜9月
   対象人数:189人

内容: 
a)当院への持参状況   
     
b)持参しなかった理由
     
c)情報を読んでいるか?
結果
a)
43%の患者が「持ってきていない」、26%の患者が「もらっていない」と答えた。
  図1(スライド1)参照   
又殆どの患者が普段も持っていないと答えた。

b)理由は「面倒くさい」などであった。
  図2(スライド2)参照
その他としては「何年も前から変わっていないから」などであったが、中には
「必要性を感じない」と答えた患者もいた。

c)
「持ってきていない」と答えた患者に中身を見るかと聞くと70%の患者が「すべて見る」と答えた。  図3(スライド3)参照
これは持ってきていた患者の比率と変わらなかった。又見ない理由としては「字が小さい(22%)」「ゴチャゴチャ書いてある(18%)」「見てもわからない(11%)」などであった。

<まとめ>
 患者が常に薬剤情報提供書やお薬手帳を持参しているとは限らない。よって少なくとも
薬袋に薬品名が記入してあれば誤薬を防ぐことが可能であると思われる。そして薬剤情報提供書やお薬手帳を常に持参し、医療機関に提出する必要性や重要性を患者に指導することが大切である。また近隣の病院から転院してくる場合、医師の紹介状や看護師のサマリーの薬品名や用法・用量が間違っていることも少なくなく、持参薬を鑑別することは重要である。