DIニュース    

NO.200  2001年7月

1.お知らせ

T.アセトアミノフェン製剤「カロナール細粒」の【用法・用量】誤認による処方ミス防止と
                                  適正使用のお願い


 ライ症候群/インフルエンザ脳症・脳炎への各種NSAIDsの使用が小児を中心に手控えられ、またフェナセチ
ン含有製剤が医療の場から撤退する中、アセトアミノフェン製剤に対する需要が高まっています。そうした背
景から「カロナール細粒」の使用が大幅に増えつつありますが、併行して用法・用量の誤認、即ち「本剤の成
分量を製剤量と間違えて医師が記載した」、または「成分量で記載された処方箋を受け付けた薬剤師が、誤っ
て製剤量を秤量・調剤し投薬してしまった」といったケースがおこっています。この原因は、【用法・用量】
の記載方法にあると考えられます。即ち、「成分量は<mg>表示が一般的にも拘わらず<g>表示となって
いる」、「“効能・効果(2)の場合”の項にカロナール細粒としての製剤量が記載されていない」ことが誤
認を招いた主因と考えられます。
 改訂にはある程度の期間を必要としますので、「カロナール細粒」を適正にご使用頂くために、【用法・用
量】の記載内容を以下に示しました読替内容としてご理解頂いた上で、処方作成並びに調剤にあたっては、成
分量と製剤量の誤認が生じないよう注意して下さい。

《変更前》

【効能・効果】                                        
(1)頭痛、耳痛、症候性神経痛、腰痛症、筋肉痛、打撲痛、捻挫痛、月経痛、分娩後痛、がんによる疼 
  痛、歯痛、歯科治療後の疼痛                                
(2)下記疾患の解熱・鎮痛                                    
 急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)                     
                                               
【用法・用量】                                        
効能・効果(1)の場合                                     
 通常、成人にはアセトアミノフェンとして1回0.3〜0.5g、1日0.9〜1.5g(カロナール細粒として1回1.5
 〜2.5g、1日4.5〜7.5g)を経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減する。         
効能・効果(2)の場合                                     
 通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回0.3〜0.5gを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増
 減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大1.5gを限度とする。また、空腹時の投与は避け
 させることが望ましい。                                   

《変更後》

効能・効果(1)の場合                                     
 通常、成人にはアセトアミノフェンとして1回300〜500mg、1日900〜1,500mg(カロナール細粒として 
1回1.5〜2.5g、1日4.5〜7.5g)を経口投与する。なお年齢、症状により適宜増減する。       
                                               
効能・効果(2)の場合                                     
 通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回300〜500mg(カロナール細粒として1回1.5〜2.5g)
頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。                        
 ただし、原則として1日2回までとし、1日最大1,500mg(カロナール細粒として7.5g)を限度とする。
また、空腹時の投与は避けさせることが望ましい。                        


2.医薬品・医療用具等安全性情報 
 (No167)2001年6月   厚生労働省医薬局 【概要】   

サリチル酸系製剤の小児に対するより慎重な使用について
当院該当医薬品 アスピリン末,バファリン330錠,バファリン81錠,バイアスピリン錠,カシワドール注,PL顆粒

情報の概要
 1998(平成10)年12月,厚生省(当時)は,医療用医薬品であるサリチル酸系製剤について,15歳未満の
水痘,インフルエンザの患者に投与しないことを原則とする使用上の注意の改訂の指示を行い,注意を喚起し
てきた。(平成10年12月医薬品等安全性情報 No.151参照) その後,サリチル酸系製剤を含む解熱鎮痛剤全
般について確認したところ,平成11年1月以降にアスピリン等を含有するサリチル酸系製剤が投与された小児
でライ症候群症例が3例あった。また,それらのうち2例は,サリチルアミドを含有する総合感冒剤が投与さ
れたものであった。
 以上のことから,ほとんどの医療用医薬品である総合感冒剤(当院ではPL顆粒)にはサリチルアミドが配
合されており,医薬品添付文書には,15歳未満の水痘,インフルエンザの患者に投与しないことを原則とする
旨が記載されている。

3.医薬品安全対策情報                
Drug Safety Update No.101(2001.7)        添付文書の改訂     
★最重要と☆重要のみ当院採用薬を記載                    
アミノフィリン(ネオフィリン注/エーザイ)                          
 テオフィリン(テオドリップ/日研化学、テオドール錠100・200/三菱東京-日研、ユニフィル錠/大塚)
[副作用]の「重大な副作用」  
            一部改訂
                
                
              追記
                
潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある
ので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な
処置を行うこと。」                     
「頻呼吸、高血糖症があらわれることがある。」        
「赤芽球癆があらわれることがあるので、貧血があらわれた場合に
は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。」        
塩酸テモカプリル(エースコール錠/三共=日本ベーリンガーインゲルハイム)            
[副作用]の「重大な副作用」追記
                
                
                
                
                
                
「肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、LD
H、γ−GTP、Al−Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があら
われることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合
には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。       
血小板減少:血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分
に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処
置を行うこと。」                      
清心蓮子飲(ツムラ清心蓮子飲エキス顆粒医療用/ツムラ)                    
[副作用]の「重大な副作用」追記
                
                
                
                
                
                
                
                
                
「間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が
あらわれた場合には、本剤の投与を中止し、速やかに胸部X線等の
検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置
を行うこと。また、発熱、咳嗽、呼吸困難等があらわれた場合に 
は、本剤の服用を中止し、ただちに連絡するよう患者に対し注意を
行うこと。                         
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al−
P、γ−GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれ
ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には
投与を中止し、適切な処置を行うこと。」           
セフタジジム(モダシン静注用/グラクソ・スミスクライン=田辺製薬)               
[副作用]の「重大な副作用」追記
                
                
                
「肝炎、肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GP  
T)、γ−GTP等の著しい上昇を伴う急性肝炎、肝機能障害や黄
疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認めら
れた場合には投与を中止すること。」             
4.セフェム系薬について

1.セフェム薬系の利点
 1)殺菌的作用(細菌の細胞壁合成阻害作用)
 2)ペニシリナーゼ産生黄色ブドウ球菌に対する抗菌力(特に第1世代セフェム薬)
 3)広域スペクトラム(グラム陽性菌から陰性菌まで広範囲のスペクトラムをもつ)
 4)安全性が高い(治療/毒性比が高い)
2.セフェム薬系の欠点
 1)髄液移行性(第1,2世代は不良、第3世代で改善)
 2)腸球菌、緑脳菌に対する抗菌力(一部のセフェム系薬を除いて抗菌力がない)
 3)偽膜性大腸炎(Clostridium difficileによる下痢)を引き起こす可能性

○セフェム系薬の分類と特徴       は当院採用品
注射薬

分類       特徴             代表的薬剤(一般名)   商品名        
第1世代     
        
グラム陽性菌に強い抗菌力  
外科的予防投与       
セファゾリン(CEZ)   
           
セファメジン     
           
第2世代     
        
        
        
グラム陽性菌に加え陰性菌(H.in
fluezae,M.catarrhalisなど)に
も抗菌力          
              
セフォチアム(CTM)   
           
セフメタゾール(CMZ)  
フロモキセフ(FMOX)  
パンスポリン     
ハロスポア      
セフメタゾン     
フルマリン      
第3世代     
        
        
グラム陰性菌に対する抗菌力増
強、ブドウ球菌には弱い   
              
セフォタキシム(CTX)  
セフトリアキソン(CTRX)
ラタモキセフ(LMOX)  
クラフォラン     
ロセフィン      
シオマリン      
第3世代     
抗緑膿菌作用有り
        
        
緑膿菌に対しても抗菌力   
              
              
              
セフタジジム(CAZ)   
セフォペラゾン(CPZ)  
スルバクタム・セフォペ
ラゾン(SBT-CPZ)    
モダシン       
セフォペラジン    
スルペラゾン     
           
第4世代     
        
        
緑膿菌とブドウ球菌の両方に抗
菌力            
              
セフピロム(CPR)    
セフォゾプラン(CZOP) 
セフェピム(CFPM)   
ブロアクト、ケイテン 
ファーストシン    
マキシピーム     


経口薬

分類       特徴             代表的薬剤(一般名)   商品名        
第1世代     
        
グラム陽性菌に強い抗菌力  
              
セファクロル(CCL)   
セファレキシン(CEX)  
ケフラール      
ケフレックス     
第2世代     
        
        
グラム陽性菌に加え陰性菌(H.in
fluezae,M.catarrhalisなど)に
も抗菌力          
セフォチアム・ヘキセチ
ル(CTM-HE)      
           
パンスポリンT    
           
           
第3世代     
        
        
        
グラム陰性菌に対する抗菌力増
強、βラクタマーゼに安定  
              
              
セフィキシム(CFIX)  
セフポドキシム・プロキ
セチル(CPDX-PR)    
セフジニル(CFDN)   
セフスパン      
バナン        
           
セフゾン       
新第3世代    
        
        
        
ブドウ球菌に対する抗菌力を強
化             
              
              
セフジトレン・ピボキシ
ル(CDTR-PI)      
セフカペン・ピボキシル
(CFPN-PI)       
メイアクト      
           
フロモックス     
           

○セフェム系薬適応のまとめ

世代       適応                                     
第1世代     
        
        
        
1.メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)、腸球菌以外の連鎖球菌:ペニシリンが使用
できないとき有用                               
2.外科的予防投与(結腸の手術以外)                       
3.市中感染のグラム陰性桿菌感染症の多く                    
第2世代     
        
        
        
        
        
1.肺炎球菌、黄色ブドウ球菌に加え、インフルエンザ菌、モラキセラ・カタラーリスに
も抗菌力があるため、呼吸器感染症(気管支炎、肺炎)、耳鼻科領域感染症(副鼻腔炎、
中耳炎)に有用                                
2.バクテロイデス・フラジリス、多くの市中発症のグラム陰性菌と淋菌に対して抗菌力
があるため、軽症から中等症までの好気性菌嫌気性菌合併感染症。腹腔内、骨盤腔  
内、婦人科領域感染症、褥瘡、糖尿病性の下肢潰瘍                
第3世代     
        
        
        
        
        
        
1.抗緑膿菌作用を有するもの                          
・ペニシリンアレルギーのためピペラシリンが使用できない場合、アミノグリコシド 
 系と併用で                                 
・好中球減少時の発熱(明らかな感染源が認められない場合)            
2.通常の髄膜炎起炎菌1)、市中感染および多くの病院感染の腸内細菌(Enterobacteriac
 eae2))                                   
・髄膜炎、グラム陰性菌感染症                         

          1)肺炎球菌、インフルエンザ菌、髄膜炎菌
          2)エンテロバクター、クレブシエラ、セラチア、シトロバクターなど
参考文献:MEDICAMENT NEWS 第1693号